韓国・釜山市と姉妹都市提携を結ぶ山口県下関市で24日、江戸時代に朝鮮王朝が派遣した外交使節団「朝鮮通信使」の行列を再現する恒例行事があった。日韓関係の悪化で開催が危ぶまれたが、釜山市民約100人と日本側から約60人が参加。市中心部の約3キロで、パレードを繰り広げた。
下関は、朝鮮通信使が本州で最初に上陸したゆかりの地。行列の再現は今年で16回目で、市民祭「馬関(ばかん)まつり」の目玉の一つ。今年は日韓関係悪化の影響により、釜山側から今月上旬まで正式な参加回答が届かない異例の事態となった。例年、釜山の市長や副市長らが正使役を務めていたが、今回は参加しなかった。
華やかな衣装を着た一行は、伝統楽器を奏でながら関門海峡沿いなどをにぎやかに練り歩いた。正使役を務めた孫在学(ソンジェハク)・釜慶(プギョン)大碩座(せきざ)教授は「両国間の海に波があるからといって別れるのではなく、お互いに交流できるということをしみじみと感じた」と語った。(貞松慎二郎)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル